ビデオゲームとイリンクスのほとり

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手堅いが驚きの少ない『ルイージマンション3』

2019年リリース。『ルイージマンション3』は確実に面白いゲームではあるが、新奇性という点ではどこか物足りなさを感じさせる作品だった。

 

このゲームを遊んでいると『ASTRO BOT』のことを考えてしまう。PSVRという新鮮な環境で、古典的なプラットフォームアクションとして手堅く面白い作品でありながら、プレイヤーの意表を見事に突いた作品だった。『ASTRO BOT』がステージを進むごとに次々とプレイヤーに驚きを提供したことを考えると、『ルイージマンション3』はいかにも単調である。もちろんステージ(フロア)ごとに全く異なるモチーフと意匠が施されてはいるものの、どのギミックもだいたい想像の範囲内だという印象がある。初代『ルイージマンション』は裸眼立体視のゲームとしても作られたというエピソード*1も併せて考えると少し感慨深いものを感じる。

 

ただ『ASTRO BOT』と比較して、個々のゲームギミックの工夫やパズルとしての出来は『ルイージマンション3』の方がバリエーションも豊富で手も込んでいる。『ルイマン3』は自らのテリトリーで素晴らしい作品にまで磨きあげられていることは確かである。それでもちょっと期待してしまったのだ。3Dゲームでありながら、決して酔わないタイプの画面固定型アクションゲームの体裁を今なお頑なに維持している中で、それでも新しい何かを見せてくれるのではないか?と。『ASTRO BOT』が古臭さを持ちつつも、新しい可能性を見せてくれたことと似たような新奇性を『ルイマン3』も垣間見せてくれるのではないかとちょっと期待してしまったのだ。しかし、これは少々私の期待が過剰だったようだ。

 

ルイージマンション』はそのタイトルにもある通り、閉鎖空間であることを自らの枷としている。その制約の中でいかに面白いパズルやギミックを提供するか、そこには様々な努力とアイデアが詰まっているのだろう。例えばデザートフロアやビーチフロアなどは狭苦しいホテルの中でありながら、やや広い空間(砂漠や浜辺)を演出している。しかしその砂漠や浜辺の遠景には丁寧にホテルの壁の跡が見えるようにされている。この閉鎖空間という制約を常に意識する姿勢はとても誠実だと思う反面、この生真面目さこそがルイージマンションという作品を強く制約し続けているなとも感じる。初代『バイオハザード』の閉鎖空間での恐怖というテーマに反するように、『バイオハザード2』がほとんど確信犯的に屋外に飛び出したような、そういう奔放さがむしろ『ルイマン』には必要なのではないか。『ルイージマンション3』が原点回帰的な作品としての集大成だとするなら、ぜひ次の4では、これまでの制約から離れて全く新しい世界を提示してくれることを期待したい。