ビデオゲームとイリンクスのほとり

ブログになる前の軽い話は以下で話してます。■Discord : https://discord.gg/82T3DXpTZK 『ビデオゲームで語る』 ■映画の感想は『映画と映像とテキストと』というブログに書いてます。https://turque-moviereview.hatenablog.com/ ■Bluesky: https://bsky.app/profile/turqusumi.bsky.social

映画などの感想についてはこちら『映画と映像とテキストと』で書いています。

 

 

考察

傑作登山ゲーム『Cairn(ケルン)』のエンディングと5%の狂気

2026年1月にThe Game Bakersというフランスのゲーム開発会社から『Cairn(以下、ケルン)』というゲームが正式リリースされた(体験版は2024年の12月に配信されていた)。本作は登山をテーマにしたゲームである。 登山ゲームと言うと、私には思い出深いゲー…

『Factrio』から人生で大切なことを教えられると妙にムカつく

2022年にニンテンドースイッチで、『Factrio(ファクトリオ)』が発売された。『Factrio』は不時着した未知の惑星で工場を建設するゲームだ。その工場で、ベルトコンベア、ロボットアーム、組立機械を配置し、鉄板・電子基盤など様々な部品を大量生産する。…

「カラオケで100点取るような歌」に似た”良作だけど物足りないゲーム”の表現

この前こんな言葉を耳にした。「あいつの歌って、カラオケで100点を取るような歌なんだよね」名前は聞き取れなかったので誰の歌のことかは分からなかった。プロなどではなく、身近な人の話かもしれない。しかし妙にその言葉が気になった。ネットで探してみる…

膨大な「チェックリスト」を処理するように感じるゲームは一体何が悪いのか?

時折、ゲームを遊んでいると「チェックリストをひとつずつ処理しているような感覚」になる。私がこの「チェックリスト(のような)ゲーム」という概念を最初に意識したのは、アメリカの掲示板型コミュニティサイトRedditの以下の投稿を読んでからだ。おそら…

『メタファー』に本当は言って欲しかったこと

【補記 2026/03/11】記事序盤のゲーム内設定の説明が分かりにくかったので、内容的には特に変更してないですが、文章表現を修正しました。 2024年10月11日にアトラスからリリースされた『 メタファー:リファンタジオ(以下、メタファー)』。海外での評判も…

『ゴーストトリック』が13年経ってもプレイすべき傑作なのはなぜか?【ネタバレ無し】

『ゴーストトリック』のリマスター作品が2023年6月30日に、Nintendo Switch/PS4/XBOX/Steamでリリースされる。元々は2010年にニンテンドーDSソフトとして発売された作品だ。私が今までプレイしたアドベンチャーゲーム*1の中で、最高と思う一本だ。 【ゴース…

「まじめな遊び、ふざけた遊び」(雑誌『広告』Vol.417所収)を読んだ感想

ゲーム研究者である松永伸司さんが、雑誌『広告』(Vol.417, 2023)に「まじめな遊び、ふざけた遊び」と題した論考を書かれている。とても面白かったし、毎回こういう話を読んで、自分の興味のある分野であるビデオゲームに引き付けて考えたりしてしまう。そ…

傑作『チェインド・エコーズ(Chained Echoes)』は単なる王道RPGではない

2022年12月にリリースされた『チェインドエコーズ(Chained Echoes)』。Steam/PS4/Switch/Xbox GamePassで遊ぶことができる2DのRPG作品だ。(日本語対応済み*1)。 スーファミからPS1時代の日本のRPGを彷彿とさせるビジュアル。その端正なイメージとは裏腹…

クセつよ傑作『キングダムカム』の実はあまり「クセのない」魅力

2018年に『キングダムカム・デリバランス(Kingdom Come: Deliverance)』という作品がPCでリリースされた。家庭用機版(PS4/XboxOne)も翌年の2019年に出ているので、今更話題にするにはリリースから随分と時間が経ってしまった作品でもある。2022年末のセ…

『ベヨネッタ3』があまりに残念な作品だった

2022年10月に『ベヨネッタ3』が任天堂からリリースされた。ベヨネッタシリーズは大好きなアクションゲームだったが、最新作の『3』は信じられないほど夢中になれない作品だった。しかし、楽しんでいる人も多い。ネットでの評判を見るに、本作のストーリーに…

傑作『ゴーストワイヤー トーキョー』なぜ単調で大きな盛り上がりもないのに、これだけ面白いのか?

2022年3月にPS5やPCでリリースされた『ゴーストワイヤー トーキョー(Ghostwire: Tokyo)』。本作はやや迷うところがあるものの、傑作と言ってしまいたくなるゲームである。家庭用ゲーム機としてはPlayStation5のみでの発売となったため、あまり話題にもなら…

『ゼノブレイド3』は能力主義(メリトクラシー)社会での分断にどんな答えを出したのか?

2022年7月にNintendo Switchで発売された『ゼノブレイド3』。シリーズ三作目であり、海外での評判も悪くない。メタクリティックでは89点という意外な高得点をマークしている(2022年8月15日現在)。 Xenoblade Chronicles 3 Reviews - Metacritic ちなみに初…

『Switch スポーツ』は既存のオンライン対戦ゲームの脱落者にこそ響く

2022年4月に発売された『Nintendo Switch Sports(以下、Switch スポーツ)』をゴールデンウィークに家族で楽しんだ。 『Wiiスポーツ』の不思議な魅力 『Switch スポーツ』は、かつて『Wiiスポーツ(Wii Sports)』(2006)を夢中で遊んだことを思い出す楽し…

『昭和米国物語』の「面白そう!」は何が面白そうなのか?

2022年1月7日にゲームメディアが報じた『昭和米国物語』というゲームのリリースは、瞬く間にネットでも大きな話題となった。すぐに過去の話題になりそうなバズり方ではあったが、私自身もこのゲームのPVを見て「絶対買っちゃいそう……」と思った(単純)。で…

話題のジグソーパズル『The Sunny City』が良かった(感想)ネタバレなし

YouTubeなどで話題になったジグソーパズル『The Sunny City』。今回、最後まで遊んでみたので、その簡単な感想を書いてみたい。しかしネタバレはできる限りしたくない。普段、映画でもビデオゲームでも、ネタバレに対して私自身は結構ユルい。ゲームのレビュ…

傑作『It takes two』が本当に描きたかったこととは何か?

追記(2022.09.14 )論理展開を明確にするため、大幅に改稿しました。) 追加(2025.03.29)論旨が明確になるように更に修正しました。 『It takes two』は、2021年最高の1本になりうる傑作である。本作は1人では遊べない。コントローラー2個を器用に1人で扱…

『リターナル』における”836”の謎とストーリー考察の限界について

2021年4月に発売された『リターナル(Returnal)』。PS5専用ソフトであるため、そこまで本数が出ているわけではないだろうが、概ね高評価を獲得している新規IPタイトルだ。30時間ほどでクリアしたが、とても面白いタイトルだった。私はこれまでローグライク…

フィルカル『特集 ネタバレの美学』を読んで、ビデオゲームのネタバレについて考える

今さらだが、『フィルカル Vol.4 No.2』(2019)の「特集 ネタバレの美学』を読んだ。一部の記事は既に読んでいたりもしたのだが、今回通しで読んでみて大変面白かったので、その感想を書きたいと思う。特に私の好きなビデオゲームに絡んで考えることも多か…

『ゲームと現実の区別が曖昧になる』論が見逃してしまいがちなこと

ビデオゲームに関わる技術が高度に発達したことで、「ゲームと現実の区別がつかない」という話が度々されることがある。こうした話がされる時というのは、主に以下の3種類の観点で語られることが多いように思う。 グラフィックスや音響など、感覚に訴える表…

『Untitled Goose Game』におけるベルは何を意味しているのか?

2019年にリリースされたガチョウが主人公のゲーム『Untitled Goose Game〜いたずらガチョウがやって来た!〜』は、かなり独特の雰囲気をまとっている。 日本語タイトルの副題にある通り、ガチョウが色んなイタズラをして、街の人たちを困らせる、というコン…

スマブラの「新ファイター参戦ムービーへの海外の反応」はなぜ泣けるのか?

なんか泣けないですか?そうでもないですか。すみません。いや、もちろん泣けない人もいると思いますが、ついつい泣いちゃうって人も多いと思うんですよね。 スマブラに新ファイターが登場する。これだけで一つニュースになる。そして、思いもよらぬ、いやど…

『スノーランナー』が示唆する「男らしさ」表現の未来

2020年9月に日本語版がPS4で発売された『スノーランナー(SnowRunner)』。どういうゲームか一言で表現するならば「荷物を運ぶトラックシミュレーター」だ。荷物を運ぶために走る道路は、日常で見るような舗装された道路とは限らない。獣道のようなわずかに…

『ゴースト・オブ・ツシマ』の「変な感じ」を受け入れないことは、不寛容なのか?

2020年7月17日に発売された『ゴースト・オブ・ツシマ(Ghost of Tsushima)』。元寇をテーマにした侍が主人公のオープンワールドなアクションゲームだ。侍が広大なフィールドで冒険するという作品は、多くの日本人ゲーマーが長く待ち望んだ作品だった。そし…

傑作『ラストオブアス2』のポリコレ表現とエリーの最後の決断について

2020年。前作から7年ぶりにリリースされた『ラストオブアス パート2(The Last of Us Part 2)』は、間違いなく傑作だった。まさかこれほどの傑作が生まれるとは、前作のあまりに素晴らしいラストシーンからは想像ができなかった。これ以上は蛇足にしかなら…

『ゼノブレイドDE』は思い出補正を凌駕できたのか。

2010年にWiiで発売された『ゼノブレイド』。当時は、「唯一プラチナ評価を維持し続けたソフト*1」との文句で宣伝されたりもしていた。発売と同時に買ってプレイしたわたしは、確かに『ゼノブレイド』に夢中になった。とても面白かったし、傑作だとも思った。…

『ラスト・オブ・アス』のラストの圧倒的な素晴らしさについて

2013年に発売された『ラスト・オブ・アス(The Last of Us)』(以下、ラスアス)は、ゲーム史に何十年も残る傑作ゲームだ。そろそろ『Part 2』が発売されるこの時期に、どうしても書き残しておきたいと思い、この記事を書くことにした。本稿はネタバレ全開…

『世界のアソビ大全51』の「ウサギと猟犬」が好みに合い過ぎていた

2020年6月5日に発売された『世界のアソビ大全51』。このソフトは、非常に満足度の高いものだった。最初は「クラシックなゲームのミニゲーム集なんて、今更なぁ」と思っていた。しかし実際遊んでみると、ついつい楽しくなってしまう。こんなシンプルな商品構…

課金しない人間ほど、なぜソシャゲの課金を嫌うのか?

ソシャゲの課金をためらう気持ち スマホゲームやソーシャルゲームにおいて、課金をすることにためらってしまう気持ちがある。最近ではそんなことを感じない人も多いと思うし、もはやゲームにおいてなんらかの「課金」は当然のことになっている。 しかし私な…

『ザ・ワンダフル ワン・オー・ワン リマスタード(The Wonderful 101 : Remastered)』で再びこのゲームの素晴らしさを思い知った

2020年リリース。2013年にWiiUで発売されたこのゲーム。リマスターでSwitch/PS4/Steamに帰ってきた。7年ぶりにプレイしてみて、やはりこのゲームは大傑作だと改めて思った*1。本作は、下手の横好きを自認するアクションゲーマーにこそ遊んで欲しい。ゲーマー…

『十三機兵防衛圏』必然性の物足りなさとその革新性

2019年。ヴァニラウェア制作。主人公が13人もいるアドベンチャーゲームと聞いては、その手の群像劇的なゲームが大好きな自分としてはプレイしないわけにはいかなかった。クリアして、アーカイブを読み倒す楽しさを十分に堪能したので、元は取ったなと思う。…