ビデオゲームとイリンクスのほとり

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『閃乱カグラ』はアリだけど、『ウマ娘』はどうしても受け入れられない

ウマ娘』が、流行っている。本当に流行っているのかどうか分からないのだが、多分流行っている。このゲーム、とても嫌だ。何が嫌って、あまりに下品だろうと思う。コンセプトとか色々と。こんな下品なものを「普通に面白いもの」として扱うことに強い抵抗感がある。数年前からアニメなども放映されており、今更何をか言わんやという感じであるが、多くの人が「普通のもの」のように捉えていることに不快感を感じる。何も客観的な理屈などない、この記事は全く主観的な気持ちから出発している。

ウマ娘』は、すごく「いかがわしい」のに、「わたし、全然いかがわしくありませんよ」みたいな振る舞いがとても(性的な意味でなく)いやらしく感じてしまう。例えば、最近はブランドが収束してしまったように見える『閃乱カグラ』はとても下品な作品だったけれど、どこか嫌いにはなれなかった。下品であることを自覚しているようなところがあったと勝手ながら思っている。あれだって『ウマ娘』と同じ、いやそれ以上にアウトでしょって意見もあるのかもしれないけど、それはある程度そうかもしれない。でも『閃乱カグラ』は、遊ぶ人や買う人にある種の覚悟を押し付けるようなところがあったと思う。一線超える的な。そんなに正直で良いんだろうか、俺は?というような。

 

だから『ライザのアトリエ』とかも個人的にはちょっと嫌で、あれもある種のポルノに向かう覚悟を脱力するようなところがある。「アトリエですよー、錬金術ですよー、RPGですよー」って、アニメ声で囁き続ける姑息さがある。別に何か、厳密な許せる許せないの基準があるわけではないけれど、やっぱ『ウマ娘』は下品すぎるだろって感覚は譲れない。じゃあ『艦これ』はどうなんだとか、正直よく知らないし、細かくアレがダメ、コレがダメって話がしたいわけではなくて、なんというか常識的な感覚をどんどん失っていって、いつの間にか『ウマ娘』がOKになってるんだとしたら、それは異常事態だと思ってしまう。しかし何が常識的なのか。もちろんそれを提示することはできない。とはいえ、ジリジリとその基準が変わってきていることは確かなんじゃないだろうか。だとしたら「その基準がそんなに変わって欲しくない」もしくは「もう少しゆっくりと変わって欲しい」と思うことは、そんなに変なことではない。そういう願いを持つ人がいても良いだろう。

 

いかがわしさを大切にしてほしい。いかがわしいものがいかがわしいものであることのしるしを、それはそんなにセール品の値札のように簡単に剥がして欲しくない。「ちょっとアウトっぽいものを分かった上で楽しんじゃうぞ、おれは」みたいなのをあんまり大通りでやるのってダサくないですか。もしそうではなくて、アレが普通のものに見えるんだとしたら、それはやっぱり異常だろうと思う。勘弁してほしい。そんな社会はやっぱり嫌だ。「人を騙したり、盗んだり、嘘をついたりしたらダメだろう。だけどそれ以外の単に下品であることなら良いんじゃないの?もしコレ(ウマ娘)がダメなら、他のアレはどうなんですか?」って、そんなんひとつひとつのモラルに明確な根拠なんてあるわけねーだろって話で、そんなにみんな厳密に生きていけるほど、強くて賢いの?と思ってしまう。いかがわしいものにいかがわしいことを示すラベルを貼るって、強くて賢いわけではない私たち社会の一つの知恵だったんじゃないの?女性蔑視とか差別とかそういう観点の話でもないし、そういう話がしたいわけでもない。それは専門の人にお任せしたい。

伝わるのかな?これ。要は『DOOM』は良いって話なんだよね、『DOOM』は。

 

叶わぬ望みだけど、『ウマ娘』みたいなのは数が少なくなっていってほしい。この作品ひとつの話ではないんだよね、結局。でもまあ『ウマ娘』は下品すぎるよ、やっぱり。